
今回は探偵小説古典中の古典、エミール・ガボリオの『ルルージュ事件』(1866)を取り上げる。本作はイギリスのチャールズ・フィーリークス『ノッティング・ヒルの謎』(1863)と並び、おそらくは世界最初の長編探偵小説の栄誉を担う作品であり、それゆえ様々な視点からの考察が可能であろう。ここでは70年ほど後の作家、エラリー・クイーンの作品との比較、という視点からごく簡単に考察するに留める。
【以下、本作の核心に触れる。参照するのは太田浩一訳(国書刊行会、2008年)である。またクイーン作品の興趣にも触れるので注意されたい。】
続きを読む




