2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧
今回は名作『オリエント急行の殺人』(1934)に登場していただく。この作品といえば、クリスティーの他の有名作と同様、その「意外な犯人」が決まって言及される。しかしここではそのテーマを実のところ支え、導出さえしているように見える、ある〈逆転の構…
今回はドロシー・L・セイヤーズの『五匹の赤い鰊』(1931)を、ある一点に絞り、ごく簡単に検討したい(最近復刊されたようだ)。参照するのは浅羽莢子訳(創元推理文庫、1996年)である。 【以下、本作の真相に触れる。】
今回はクリスティーの『ポアロのクリスマス』(1939)を取り上げる。本作はこの時期にかの女が探求していたモチーフがよく分かる佳作である。例によって伏線、ミス・ディレクションといった叙述上の特徴と、手がかりとの関係に絞って簡単に検討する。 ※用い…